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人狼はガチでやったほうが面白いよ

ta-nishi.hatenablog.com

1.人狼は「ガチプレイ」に向かないゲーム?

人狼のようなチームプレイゲームでは、チームメイトが必ずしも自分ほどのスキルを持っているとは限らず、自分が想定したように動いてくれるとも限りません。
チームプレイゲームは、むしろその「不確定要素」こそが楽しみの核であり、

うんうん

「ガチプレイ」には向かないゲームだと考えたほうがよいのではないか。完全さを求めることは、むしろゲームの楽しさを損なうことになるのではないか。私は、そう考えています*4。

ファッ!?



 トラブルの事例は典型的な人狼あるあるだしそれに対する問題意識やそこから考えたことの筋道はよくわかるんですが、結論が「チームプレイゲームはガチプレイには向かない」「人狼はガチ向きじゃない」ではあまりに飛躍しすぎでは。
 ガチでやらないなら人狼って何を目的にプレイされるのか。シビアに勝敗追及せず真剣な駆け引きを放棄してワイワイした楽しさの中で親交を深めるみたいな?


 王様ゲームでもやってなさいよ
 それが結論だと勿体無いのでちょっと解決法について提案してみたいです。


2.その問題はネット人狼が10年前に通過している

 個人的にはネット人狼しかやったことないんですがそこにもやはり"言動がキツくなる人問題"と"初心者参入障壁問題"とは存在しました。ネット人狼ではこれらは別々の問題として把握されており、解決方法も確立しています。方法とはどちらについても結局「慣れてもらうこと」。


"言動がキツくなる人問題"の解決法

 まず"言動がキツくなる人"の方からですが、これは別に自陣営に初心者が居てイライラするからとかでなくても常に一定数居ます。敵陣営に対してキツくなる人や経過がなんであれ負けると攻撃的になる人なんかも。
 問題をその人の性格がおかしいとか、プレイスタイルがハード過ぎるとか言い出すと間違いで、ほとんどは単にゲームに慣れていないためそうなっています。



 人狼というゲームは無実の罪を疑われて吊るし首になったり身に覚えのある罪を看破されて吊るし首になったりしながら最終的にプレイヤーのほとんどがリンチを受けて吊るし首になる(でなければ闇討ちで抹殺される)ゲームですから、ゲーム内の対立と現実とを分けて考えられないと感情的になりやすいです。



 これはしかしどんなゲームにも程度の差はあれ存在する問題で、仮想世界の異常な状況設定に慣れてないせいで感情が刺激されて興奮してしまうだけなんですね。
 解決法としてはただ人狼を繰り返しプレイすることによってリンチの応酬にも慣れ、理性的にリンチしたり濡れ衣着せたり出来るようになります。素質や意識の持ち方による個人差はあれども20戦もすればほぼ誰でも理性的プレイヤーになれます。



"初心者参入障壁問題"の解決法

 これはもう解決法から書いてしまうと、初心者にゲームに慣れてもらうには「初心者村」を開催して経験者が教習しながらゲームに親しんでもらうしかないです。いきなり普通参加は無理。
 その際に参加者の大多数が初心者だったりするとゲームにならずせっかく教習に来た初心者の成長が遅くなる(し、面白さが分からず別の意味で人狼から離れてしまう)ので参加者の過半数が経験者、残りが初心者、ぐらいがベストの構成。



 初心者村で大事なのは村の目的を参加者全員が明確にもっておくこと。この場合の目的とは「初心者にゲームに慣れてもらうこと」なので、経験者達は普段のようにゲームを楽しめるとは考えず初心者接待に徹する。これなら「初心者が期待と違う動きをした」とかいう理由でイライラする人は出ません。


3.ゲーム運営の支障を個人のせいにするのはだいたい間違い

人狼界隈では、このことは大きな問題としてすでに認知されており、多くの人狼会で主催者側が初心者向けの配慮として様々な工夫を凝らしてくれているのですが、まれに現れる「初心者への配慮をもたないガチ勢」の存在が、多くの人狼会共通の悩みのタネとなっているようです。

 本件を個人の配慮不足寛容さ不足といったレイヤーで捉えると解決に向かわないと思うんですよね。「定石すらわきまえない初心者のせいで」も「初心者への配慮を持たないガチ勢のせいで」も個人の資質不足に原因を求める点で実は発想が同レベル。
 まして主催者が考えるべきなのはそんなことじゃなく、次の村はどういう目的で立てるのか、どれぐらいのガチさで取り組むのか、という村設立時点で統一すべき目的をきちんと設定することですよ。


 厳しい言い方をすれば、「初心者村」のコンセンサスを取り付けずにえいやで初心者を経験者に混ぜてしまっておいて、"初心者向けの配慮と言う様々な工夫"のような付け焼刃的措置でなんとかなろうという考えがちょっと甘いように思えます。人狼はたぶんそれで上手く行くゲームじゃないからです。


4.ゲームごとの対noob脆弱性で運営は変わるべき

 ゲームって「初心者orやる気低いプレイヤーが混じってても成り立つ物とそうでない物」があって、まあ前者(成り立つ物)の方が多い中で人狼は後者(成り立たない物)なんですよね。この分類ってチームプレイかソロプレイかとはあんま関係が無い。
 人狼は初心者(noob)に配慮して初心者育成しつつ同時に楽しめるゲームではないです。ここを押さえないまま「お前は配慮が足りない」「あいつは優しくない」という議論をしても解決から遠のきます。



 noobが居ても成り立つゲームで一番プリミティブなのは鬼ごっこです。あれなんかはオミソと呼ばれるまだ足遅かったり頭悪かったりする小さい子が混じってても問題ないわけです。鬼はオミソについては適当におっかけてあげればいい。オミソは鬼にはならない。大きい子同士で真剣におっかけっこしつつ、オミソに対する配慮や接待が両立します。大きい子もオミソもみんなで楽しめます。



 もしくは戦争FPSゲームなんかならチームに1人noobが混じって変なとこで伏せてても突撃して死にまくってても、スコア的なハンデではあるけどまあいいかとなり得ます。鬼ごっこよりはnoobが邪魔になるけど、チームメイトにとってのゲームが致命的に破壊されるわけでも無い。



 が、人狼では初心者でも容赦なく村の趨勢握る役職だの勝敗に直結するキャスティングボード預けられる立場だのになったりします。これはやはりゲームが成り立たなくなってくる。noobに対してだいぶ脆弱なのが人狼というゲームです。そこにゲームを楽しむつもりで参加した人が居たらそれはやっぱり不満が生まれます(悪い態度にして表出するかはともかく)。
 人狼は初心者を入れつつゲームを楽しむのが不可能なので、初心者を入れるなら最初から初心者の為の村、「初心者教習村ですよ」「経験者は全員ボランティアですよ」「初心者の人は早く上手くなって一緒にガチをやろうね」しかない。



 人狼をある程度長期的に楽しもうと考えるなら、ボランティアの人狼初心者村教習員をやるしかないんですよ。私も何十回とやりました。やらないとプレイヤーが増えない&微減していくから自分の為ですし、ゲームに対する時の客観性や冷静さも培われていいことたくさんあります。


5.みんなもっとたくさんやれ

ここのところ人狼ゲームにハマり*1、月1回ほどのペースで各所人狼会に顔出しさせてもらっています。

 「ここのところ」が半年程度のことならこの人自身まだ初級者という段階です。
ある程度複雑なゲームが月1でそうそう上手くなるわけない(その日12時間ぐらい泥のようにやるなら少し違うが)わけで、
 さらに言えば自陣営初心者に悪い態度を取っていたガチ勢というのもきっとまだまだ必死なだけの初級者です。
 その段階でゲームの可能性を見切っちゃうのはもったいない。




 …ただ社会人が対面でやるとなると機会も時間も限られてくるわけで、「これはガチプレイするゲームじゃない」で結論しちゃうのもしょうがないんですかね。そこはネット専だったプレイヤーには判断しづらいところです。
 対面でやる時点で、定石踏まえた裏の裏…みたいな知略をガチガチに尽くすより互いの顔色を見る社交的ゲームとして変質させるほうが正しいのかもしれないし、ここまで書いておいて最後で持論がぶれてきました。







人狼ゲーム 1 (バンブーコミックス)

人狼ゲーム 1 (バンブーコミックス)

人狼をリアルデスゲームの題材にする系マンガって
「チームの為に死を選ぶ」選択肢が消える時点でただの殺し合いにならざるを得ない中
この漫画は人狼と関係ない部分で膨らませながらよく頑張ってる。
ただやっぱなんか企画で描かされてるのかな感も。