「童貞マインド」だの「精神童貞」だの
1.
"童貞を殺す服"というネタb.hatena.ne.jp
- [言葉]
「童貞」って現実の童貞というより童貞マインド(どんな男性の中にも少しはある少年のココロ的な)のことだと思ってた。なんで男の人は現実の童貞/非童貞という区分けに拘るの。女以上に拘ってるように見えるけど。
2015/07/10 11:59
こんな論法は無いと思う。
現実の童貞と関係がないというなら、そもそもなんで「童貞」と言う言葉を使わなければいけないのか。
少年のココロ(?)の話だったと言うなら「少年」と書けばいいではないか。少年というのもこの場合はいまいち成分不明だから、たとえばウブさの話だったなら「ウブさ」、幼さの話がしたかったなら「幼さ」と書けばいい。
もしも盗癖のある人間を”在日”と呼び、窃盗対策を「在日殺し」と言いならわしたらこれは絶対抗議が来る。在日韓国・朝鮮人からしたらとんでもない風評被害であり侮辱だ。
抗議を受けて、
「いやこれはただの表現であって、誰の中にもある人のものについ手を出したくなる心性を”在日”と言ってるだけ」
「現実の在日の話なんかしていない」「なんでそんなに拘るの」と言い返したらすごいことになるだろう。そんな説明は成り立たない。
つまりは、
好ましくない特徴を属性と結びつけて語るのが差別の王道だ。
粗暴さについて論じるなら「粗暴」という言葉を使うべきで、そこに「黒人マインド」という言葉を代入したら許されない。
非論理性について論じるなら「非論理」という言葉を使うべきで、そこに「文系マインド」という言葉を使うならやはりちょっとおかしい。
以上の例に出したような言葉遣いをする人が居たら、それぞれ「在日」「黒人」「文系」に対し、偏見・見下し意識か、ドサクサ紛れに貶めようという悪意か、その両方があるのだ。
2.
papuriko.hatenablog.com
このブログ記事も、女性客を舐めたようなむかつく選書をした書店員に対して「精神童貞」という表現(というかdisり)を付している。
個人的にもあの選書はおかしいと感じたし、選書の文句が実にむかつくという点には賛同ブコメもしたけれども、なんでそこに童貞が出てくるのかわからない。
冒頭ブコメと全く同じように「実際に童貞かどうかは問うていない」という説明が用意されているんだけれども、ならそもそもなんで童貞という言葉を使わなければいけないのか?については結局一切不明だ。
なんで男の人は現実の童貞/非童貞という区分けに拘るの。女以上に拘ってるように見えるけど。
むしろなんであんた等はそんなに童貞が好きなのかと訊ねたい。
いや、訊ねなくても実はもう知っている。
3.まとめ
この「童貞好き」達の共通特徴は「はてな民みたいな奴」だ。
ある程度理屈っぽく、無知無教養でもなく、一通りのモラルが身に着いていて、注意深くモノを考えるタイプ。
野蛮ではなく、迂闊ではなく、ガキではなく、差別には当然反対する人達。
彼等彼女等のココロは日頃から内なるpolitical correctnessに監視されているが、そんな抑圧されたココロがふと見出す最後のフロンティアは何かっつったらそれが童貞なのだ。
カジュアルに差別して許される対象、馬鹿にしても非難されない弱者、これはどんどん喪われつつある。社会の進歩だ。
かつてはこのカテゴリだった「デブ」とか「ハゲ」も今や迂闊にいじれば非難される。
もう残ってるのは童貞だけなんだ。
…ってそんな期待かけられたって童貞いい迷惑だよな。