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小田嶋隆は人にどうこう言えるほどの身分か

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内容薄く、無駄に長く、しかも矛盾多くて論旨のまとまらない酷いコラムだ。
内容がないゆえに把握しにくいタイプの文章なので整理してみたい。



小田嶋の主張1「コメンテーターはインチキな仕事、詐欺師にも勤まる」

文章の行ったり来たりやオコトワリがやたらに多い*1せいでわかりにくい文だが、コラム全体の主旨として要するに、小田嶋はニュース番組やワイドショーのコメンテーターという仕事を腐している。業務のレベルは低いのに得られる社会的評価や名声が不相応に高いフォニー(インチキ)な仕事であると喝破している。


コメンテーターに必要な能力は「空気を読んでいい感じに無難なコメントを述べつつたまに適度に外して見せる手並み」という程度のことで、そういうものは全て優秀な詐欺師が備える資質の範囲内に収まる(逆はないが)、とも述べている。


日本の大半のニュース番組について、概ね小田嶋の言う通りだろう。
しかしこの程度のことを述べるのに3ページも使うのはどうか?
そんなことは庶民みんなが知っていることである*2
賢人ヅラの小田嶋さんにわざわざ喝破してもらうほどのことじゃないし、内容に比してあまりに作文が長い。


小田嶋の主張2「われわれ視聴者はコメンテーターの肩書きを重視してきた」

 私がこの際強調しておきたいのは、コメンテーターがフェイクな肩書きを名乗ったのは、われわれ聴き手の側が、コメンテーターの言葉よりも、彼の肩書きを重視していたことの当然の帰結なのではなかろうかということだったりする。

???
ニュースやワイドショーのコメンテーターなんて堂々と変な肩書きの奴が一杯居るんじゃないだろうか? ぱっと思い出すだけでもマツコとか室井佑月とか夜回り先生とか*3、何でこんな人のご意見伺わなきゃいけないのかわからん人達が百花繚乱、正々堂々魑魅魍魎の世界だ。


ホラッチョが出演していたという報道ステーションにしたって、メインで喋る古館伊知郎が既に何の見識も専門分野もないこと明らかなペラペラおじさんである。
メイン席に眼鏡ペラペラおじさんが座って本人としては重々しい顔のつもりの首の詰まった顔でいい加減なこと喋る番組なのだから、脇にアメリカ人風ペラペラおじさんがはべってイケメンボイスでいい加減なコメント差し挟んだらいけないという法は本来無い。


要するに「ショーンKがホラッチョ川上であった」というニュースについて、本質的に視聴者は誰も困らないのだ。

小田嶋の主張3「結論!コメンテーター起用者は”人間を見る目”の達人でいなければならない!」

 結論を述べる。
 詐欺師とコメンテーターという、よく似た資質を要求される対照的な仕事を割り振る上で、大切なのは、コメンテーターを起用する側のリテラシー鑑識眼)だ。

???
さあ、もう小田嶋自身の文の中ですら矛盾し始めた。詐欺師とコメンテーターとについて小田嶋が述べてきたのは「よく似た資質」などということではない。「詐欺師ならコメンテーターが務まる」と少し前のページで明言している。

私は、優秀な詐欺師なら優秀なコメンテーターがつとまるはずだ、ということを申し上げているに過ぎない。

この通りだ。
要するに小田嶋はコメンテーターに詐欺師が起用されていても何の痛痒も無い人間のはずだ(我々大多数の庶民と同じく)。だってやれているのだから。
それがたまたまホラッチョの裏幕を見たからといって一体何に傷つき憤ると言うのか。

 詐欺師もコメンテーターも、人間を扱う仕事で、だからこそ彼らは、人を誘惑するのが上手だ。
 とすれば、その彼らを起用する側の人間は、それ以上に人間を見る目の達人であらねばならない。

別にコメンテーターは必ずしも人を誘惑するのが上手ではないだろうw
一方で詐欺師はどこにでも紛れ込むのだから、詐欺師に注意する責務は何の仕事にでも遍く発生するはずだ。もはや小田嶋は自分でも何言ってるかわからなくなってるんじゃないだろうか。



小田嶋の主張4「”経歴より大切なもの”がある」

 経歴より大切なものがあることは、誰もが知っていることだ。
 が、その経歴よりも大切なものを見極める目を持っていない人間は、結局のところ、フェイクであれ、ホラッチョであれ、書類に書いてある経歴で人を判断することしかできない

「経歴よりも大切なもの」とはなんだろうか?
コメンテーターという仕事について述べてきた当該コラムでは、実務能力のこと以外にはありえない。そしてコメンテーターという業務は割と誰でも出来る難易度の低いもので、優秀な詐欺師・ホラッチョはその資質でもって業務をきちんとこなしていたと、このあたりは全て小田嶋が認めてきたことである。


では小田嶋の言う「経歴より大切なもの」とはなんのことか?
正直言ってもう何のことだかわからない。小田嶋もわかってないんじゃないのか。


小田嶋はつまり何が言いたいのだ?

ひとつはっきりしているのは、ホラッチョ氏の詐称で一番傷ついている被害者は、局の関係者でもスタジオの共演者でもなくて、人間を見極める目を持たない人たちの作った番組を見せられていた視聴者だったいうことだ。

 ホラッチョを疑っていなかった過去の自分を、いまになって疑わなければならなくなっている私などは、最も苛烈な被害を受けたひとりかもしれない。

ひとつコラム全体の要約を国語の問題風にしてみよう。

Q. 小田嶋はホラッチョのコメントを何だと思って消費していたのでしょうか?
A.1 見識は必要なく空気読んでるだけ、詐欺師的人種の姑息なたわ言
A.2 華麗な経歴によって保証される、含蓄と示唆に富んだ賢者の警句


答えられる人間は居まい。
小田嶋の立場が文中でこの全く違う2つに分裂しているからだ。


彼にみなさんが騙された理由:日経ビジネスオンライン

論旨がわからないです。

2016/03/18 09:24
b.hatena.ne.jp
健全な反応である。


「私は苛烈な被害を受けた、傷ついた」というよくわからん表明はなんなのか?
誰にとってもどうでもいいことをダラダラダラダラとモニタ2スクロール分を5ページまで薄めて書いてきて、さすがに自分の文の値打ちに自分で疑問を持ってしまって、やっつけで「被害」をでっち上げた程度のことだろう。


文字数稼ぎの薄すぎる文章書いてるうちに自分の思考まで薄まって、オチが思いつかずに論旨と矛盾するヘンテコな〆に着地してまとめられなくなったに違いない。 
確かにコメンテーターなんぞ詐欺師でも出来ようが、コラムニストも存外大したことのない仕事のようだ。





 
 
 
 

*1:護身の為と紙幅を稼ぐ為だろう

*2:きっちり言語化できるかはともかく

*3:殆どその手の番組を見ないのでもう古いかもしれないが、