共感されなかったぐらいでいきり立つな
d.hatena.ne.jp
このエントリはすごく変だ。確実に変だ。
支離滅裂な「弱者の味方」
みなさんもちょっと読んで欲しい。
■「出来た人」が追い詰める
何年も前に、どういう話の流れだか忘れたが、主婦業はラクなのかどうか、というような話題になった。
自分が「色んな意味で…大変に決まっとるがな」という意見を言うと、「いやいやいや、あんなにラクなものはない」とそれを真っ向から否定するのは、かつてはご自身が専業主婦で子供を育てたという経験を持つ(今は会社勤めの)女性である。
僕はといえば男で、結婚や子育ての経験もなく、それからしばらくは彼女の「当事者としての話」を聞かされる事になった。どうやって子供に向き合ったか、料理、家事、時間の作り方。「会社勤めしてるわけじゃないんだから、いくらでもやり方次第で自由に出来る。あれを苦労なんて言ったらバチがあたるよ」と。自分は実際に専業主婦を経験してきたからわかるのだ、と。
このやりとりどうだろうか。
私は10:0で元専業主婦氏が正しいと思う。
議題:主婦業は楽かどうか
Aさん(主婦業未経験者男性):「大変に決まっとるがな」
Bさん(ガッツリ元専業主婦女性):「いや、私の経験を述べればあれはラクだった」
これどっちの発言に価値がある?
Bさんのに決まっとるがな。
というかなんでAさんはやったこともねえことについて、別個にデータか論陣の用意をするでもなくコメントしたのだろう。お前のコメントなんぞ無価値じゃボケ、と言いたい。
無価値人間にしても、「大変なんじゃないか、なー?」ぐらいの弁えた姿勢なら許すが。「大変に」「決まっとる」「がな」とはなんなのか。
軽くはっ倒したいぐらいイライラする奴だ。
はっ倒さずに優しく諭したBさんは菩薩みがある。
ボンヤリした議題について、未経験者が決め付けるような口を効いたので、経験者に個人的な経験を開帳されてぐぬぬ…と黙って聞くハメになったというだけの顛末だ。
勉強になりましたね、未経験のことについて知ったかぶって決め付けるような発言はおやめなさいね、恥掻くし、なにより失礼ですからね。で終わりの話だ。
なんでこれでAさんが不貞腐れるのか?
それどころかまるでBさんが悪い人間のような空気出していくとか論外すぎである。
僕はといえば、「それはあなたの個人的な経験でしかなく、あなた個人の能力、環境、思考、人間関係において主婦業がラクだった、ワタシはそう考えるようにした、と個人的な解釈の話をしているだけであって、それをもって専業主婦全体がラクであると断じるのはあまりにも乱暴すぎないだろうか。そんなにラクならなぜ世の中の主婦は家事に人間関係に、子育てに、孤独に、追い詰められるのだろう?」などと、気の利いた反論が出来るわけもなく
これが気の効いた反論だと?
Aさんがその場でこの通りの口上を述べてたとしても私はBさんの腕を上げる。Aさんのことは話にならねえアホだと感じるのでやはりイライラしてはっ倒してしまうかもしれない。こういう話にならない奴は1番イライラする。
「それはあなたの個人的な経験でしかなく、あなた個人の能力、環境、思考、人間関係において主婦業がラクだった、ワタシはそう考えるようにした、と個人的な解釈の話をしているだけであって、それをもって専業主婦全体がラクであると断じるのはあまりにも乱暴すぎないだろうか。
個人的な経験に基づいて「ラクだった」とコメントするのが乱暴だと非難するならば、個人的な経験すら持ち合わせずに「大変に決まってる」とコメントしたお前はなんなのかと。
乱暴な議論を先におっぱじめたのはAさん、お前である。
頭腐ってるのか?あーイライラする。
そんなにラクならなぜ世の中の主婦は家事に人間関係に、子育てに、孤独に、追い詰められるのだろう?」
個別の話をBさんがしるかよ。 つーかそんな話はしてなかっただろう。
Bさんは、経験もないくせに「大変に決まってる」と専業主婦全体を断じてくれた間抜け野郎Aに対して、1反例として自分の体験を述べただけだ。Aは何の材料すらなく全体を決めつけたのだから、Bさんの個人的経験たった1例で反証されて主張がパンクしてぐぬぬ…となった、というだけのことだ。
などと、気の利いた反論が出来るわけもなく、ただ黙って話を聞いていた。「自分は当事者だったのだ」「自分には出来た」「自分はその修羅場を(苦労して)乗り越えてきた」という人に共通する押しの強さに何も言えなくなったのだ。
だから相手のせいにして被害者みたいなポーズ取るのはやめろと。しかも表面では黙りこくりながら内面でブツクサ愚痴ってるのだからたちが悪い。
やりとり部分を全部読んだ限り、頭悪い未経験者が不用意な発言をしたので1経験者になんなく論破されてしまっただけだ。それ以上の何の価値もないやりとりだし、目の前の馬鹿をソフトにしばいただけのBさんにはなんら非難されるべき部分は無い。
環境や人間関係に恵まれていたり、または当人の血の滲むような努力であったり、なんにせよ「山(それが大きな物であるほどに)」を乗り越えて来た経験を持つ人は、その山道を何らかの理由(環境や人間関係。あるいは、本人が単に怠け者なだけかもしれない。なんにせよ、山の途中)で挫折した人、弱音を吐く人に対して、あまりにも厳しい。本来ならば、山というのは人の数だけあるはずなのだが、山を登り切った(と判断した)苦労人に限って、すべての山が同じに見えてしまい、くじけそうな他人の人生に口を出してしまう。
いや、だから、全体について、全部同じに見えてるかのような乱暴なコメント(「大変に決まっとるがな」)をしたのはお前であって、相手じゃないだろうが。
経験すら無いくせに、経験者にとっては血肉であり人生の一部となっているであろう子育てについて、不用意な口を出したのはお前だろうが。
なんで自分がやったことを相手にかぶせて被害者ぶれるのか1ミリもわからん。
主婦業という話題ひとつとってみても、BさんにとってのそれとCさんにとってのそれは完全に、もうあらゆる意味で完全に別物なのだが、自身のワークをこなしてきたBさんは、弱音を吐くCさんを断罪する「そんな山道でつまづくなんて、どういうこと?」。登ってる山がぜんぜん違うんだよ、と言っても通用しない。自分が「出来た」経験を持つ人は、「出来ない」人にきびしいのだ。「がんばっていないだけだろう?道を選んだのは自分だろう?甘えているだけだろう?」。そして「出来た人」が発するそれらの言葉はとても説得力があり、重く、強い。つまづく人は声が聞こえている間、ごめんなさい、ごめんなさい、と耳をふさぐしかないのだ。出来た人が出来ない人を追い詰めるという悲しい構図は、ありふれていて、人生のそこかしこにあふれている。
やりとり部を見る限り、Bさんは「私はラクだった」と言っただけである。Cさんを断罪ってどこに出てきたんだ(というよりCさん的な存在を設定しての聞き方ですらないだろう)?
にもかかわらずAさんの発狂するところ、「俺の社会的に正しい見解に逆らったな!」「見解の正しい俺を黙らせて恥をかかせたな!」「つまり可哀想なCさんの首を絞める悪人サイドだなお前は!抑圧者!共感が足りない!」というわけである。
これだけAさんが馬鹿丸出しでも、これを同じようなボーっとした馬鹿達が読むと正しいのはAさんだということになる。なんか弱者の味方っぽいからね。
被害者ぶりっこの馬鹿によるこんな滅茶苦茶な話すり替えが諒とされるならば、もうある種の事柄について「ラクだったよ」と自己の体験を率直に語ること自体が悪にされてしまう。こんな下から目線チンピラが官軍になるなら、Bさんは「子育てすっごく大変だったわー」と心にもない迎合をするのが唯一の正解だったわけだ。
社会的に正しい議論の何が嫌いかと言って、正しさと言う有利地形の威を借りて馬鹿な議論や馬鹿論者がうじゃうじゃっと増えることだ。栄養と湿気のあるところにわきだすくだらない虫のようだ。
共感してても馬鹿は馬鹿
anond.hatelabo.jp
今日炎上していたこちらも相当非知性的なあんぽんたんブコメが多くあって呆れたが、それをいちいち書くには長くなりすぎた。
色々あるが一点だけ。最人気ブコメがこれだ。
子育て死ぬ系の記事が理解も共感も出来ない個人差です。個人差以外のなんでもありません。あなたは『カレーに甘口があるなんて理解できない、皆なんで辛口を買わないの?』と真顔でおっしゃっています。
2016/07/14 10:30
はあ?だから差があることは元増田も認識してるんじゃないのか。差の正味を聞いてるところに「差です」ってなんだよ、答になってねえ。こんなあんぽんたんなブコメが1位って大丈夫か?
しかもカレーの甘口辛口なら2つあっても別に構わないわけだ。「甘口好き?大変だ、辛口好きになれるようにしてあげなきゃ!」ってことはない。 けど子育てで、一方でラクだと感じてる人がいて一方で死にそうに辛いと感じてる人が居たら、後者はなんとかして前者に近付けてあげなきゃいけないだろう。 甘口好き辛口好きみたいに「個性だね」と放置できる・放置すべき話ではない。
一個もうまいこと言えてねえ、ずれまくってるこんなブコメが1位って。
なんなの?
社会的正しさに共感する群れが発生すると、このように馬鹿が活性化するのである。
なんで「共感しねえ」と言われたぐらいでキレるのか。
共感なんてクソの役にも立たないどころかむしろ毒だ。要らないだろう。
渡邉美樹がすべきだったのは「労基法の遵守」であって、自分より能力の低い従業員に「共感する」なんていう不確かなことはどうでもいいのだ。それぐらいの基本は弁えて欲しい。
人間は共感し合ってるときはろくなことをしない。
当該記事のブコメが飛びぬけて馬鹿率高いのがそのいい証拠だ。
※わかりやすさの為、引用文中のAさんBさんとあったところをBさんCさんと勝手に改変した。また一部を勝手に改行した。