高遠るい先生は緒方恵美に「吐いた唾飲まんとけよ」と言える人なのか
漫画家の高遠るい先生が声優の緒方恵美に連続ツイートを送っている。
先日バズった緒方のツイート、
国会の1日分の運営費・交付金て、いったいどのくらいの額面に? それを何十日もかけて審議するのと、某問題の赤字額と比べたら…?
— 緒方恵美 (@Megumi_Ogata) 2018年4月28日
悪いことは悪い。追求も必要かもですが、その時間をかけて、もっともっと議論して欲しい、本当に必要な議題は山のようにあるはず。
本当に国民を思う議論を。どうか。
からの
私の件の発言は、多くの方が理解してくださっているように、政治的なツイートではありません。
— 緒方恵美 (@Megumi_Ogata) 2018年5月3日
私自身は特に肩入れしている政党はない。その時々でみつめて、今はこのためにここの党に…という感じで投票しています。
ではなぜ?
…よく、前後合わせて読んで頂ければ、ご理解頂けるかと思います。⇒
が見苦しいとの非難のようだ。
政治の話をしたのに政治の話ではないとして逃げたと、大雑把に言えば「吐いた唾飲まんとけよ」ということだろう。
(緒方のツイートと反響についての詳細はこのあたり参照。
声優の緒方恵美さん、極めて政治的なツイートを非難され逆ギレポエムを記して逃走 - Togetter
声優・緒方恵美氏が政治的なツイートをつぶやき、案の定…。 - Togetter)
ところで私は緒方よりずっと見苦しい人間を知っている。
数年前にあった表現規制議論でのことだ。
富田安紀子という漫画家の作品がグランドジャンプに掲載されたことについてネットで非難の声が上がった。
高遠るい先生も同業者ながら声を上げた一人だった。
1.高遠先生の集英社批判
「ジャンプ」がネトウヨ漫画家と手を組んだ。「グランドジャンプ最新号」にヘイトデモ常連の漫画家「富田安紀子」が別名で原作を担当する作品が読み切り掲載されている。富田の新作の帯は桜井が書いたようで「不逞朝鮮人」との差別文句が読みとれる。 pic.twitter.com/LNtjCEohiY
— トータス亀下 (@kameshita3) 2015年5月12日を見た私は、以下のようにコメント付きでRTした。
漫画家だからこそRTしておく。マジかよグランドジャンプ。心底見損なったぜ集英社。 https://t.co/dthm9T7O8w
— r_tkt (@r_tkt) 2015年5月12日
ここで話をすごく基本的な地点に戻すが、ザイトク会や有象無象のネトウヨが継続的にばらまいている嫌韓デマや差別発言というのは、現代先進国の倫理基準で言えばまごうことなく犯罪レベルの人権侵害であり、法整備が追いついていない日本ではマトモに取り締まられない以上、市民社会の自浄作用によって排除されるべきものである。
富田氏が常習的なヘイトスピーカーであることは議論を待たない。ハッキリ言おう。こういう筋の人間でも大手出版社のまともな本で仕事ができる、という前例をひとつ作ってしまったことが、今回の問題点である。
問題は「今回の漫画の内容」ではなく100%「人」だ、という話です。
犯罪的な輩に仕事をやっちゃ、示しがつかないでしょ
これは誰がどう読んでも「富田安紀子という漫画家はネトウヨであり犯罪者同然の輩なので雑誌から排除せよ、表現の場を奪え」という話をしている。しかも新作の内容がどんなものかは関係がなく、富田の作品であるだけで排除せよとまで言っている。
強烈な内容だが、別にこういう主張があってもよいと思う。少なくとも高遠先生が自身の裁量と責任でそういう主張・要求をすることはアリだろう。大人なんだしね。
2.高遠先生のダサダサな逃げ1
問題はこの後だ。
反響が大きかったらしく、約一週間沈黙したあとの高遠先生の態度は急変していた。
5月12日のツイートおよび13日の日記から一週間、無駄にお騒がせいたしました。
この話題について一応、私個人としての締めを書いておこうと思います。
ポルポルくん風にありのまま起こったことを話せば、「俺は企業倫理と社会通念の話をしたと思ったら、いつのまにか表現規制の是非みたいなフェーズの違う話をする人たちがすっげえ騒いでいた」となります。
ええ~~~~~?
続く言い訳はくだらないから読むのも目が腐るが、要は全力で「ぼぼぼぼ、ぼくは倫理と通念の話をしてただけで、規制とか言ってなかったし!」「誤解されちゃったんだよね、お、おかしいなあ~~ 」と芋を引くだけのものだった。
高遠先生曰く、規制の話はしてないんだと。あれだけはっきり「犯罪的」「排除されるべき」「仕事をやってはいけない」と書いておきながら、だ。なんだそりゃ?
この言い訳をそのまま受け入れてあげればつまりアレか。高遠先生は集英社に「見損なったぜ」「倫理を考えろ」「通念を考えろ」「大変な問題だよ?」と激しく迫るだけ、それを受けた集英社が自分のアイデアとして自発的に漫画家の選別と排除をするっていうシステム?
集英社が忖度するのであって高遠先生は具体的な指示をしてないから表現規制の話ではない、高遠先生の手は汚れてないって理屈か。
最初の時点で口が滑りすぎてはっきり排除の話をしてるんだからその逃げはそもそも成り立たないないが、仮に成り立たせたとしてもそれただの卑怯なクソだろ。
3.高遠先生のダサダサな逃げ2
と言っても、別にこの程度の件で集英社に謝罪も何も求めちゃいないし、不買運動とかを煽ったつもりもない。騒ぎを耳に入れた関係者が今回の迂闊さを反省し、今後慎重になってでもくれれば、酔っ払いのカラミのような私の発言も少しは世のためになったかもって事で、十分です。
酔っ払いのカラミィ?
表現を仕事にするプロが、表現規制をけし掛ける発言をするんだから、熟慮と覚悟があると受け止められるでしょうよ。それを、「酔っ払いのカラミ」ィ?
こういう風に自分の発言をあとから割り引いてジリジリ逃げていく奴最低ですよね。最低にダサい。「ぼくは酔っ払いのカラミみたいな感じにカジュアルに表現規制をけしかけます」って実は言い訳にもなってないんですけどね。結局クソなだけだろそれじゃ。
ネットの口喧嘩で劣勢になったり矛盾を生じたりした側のしょーもない逃げとして、「誰にも聞かれてないのに突然酒飲んでたアピールしだす」というものがあるけど、まさか作家業の人間が表現規制の話に踏み込んでおきながらそれの亜種をぶっ放すとは思わなかった。
しかも何の威勢を張ってるつもりなのか、「少しは世のためになったかもって事で、十分です。」とか言ってて、あのなあ、自分で自分の発言をきちんと受け止める気迫もなく反響にビビって「酔っ払いのカラミ」とか言って割り引いて逃げていくならそれはうわ言・寝言であって、そんなもんが世のためになんかなる訳ねーだろ馬鹿。
これ見た時は本当に心底軽蔑したし、「あ、この人馬鹿なんだな」とがっかりした。
4.まとめ
この顛末は何だったのかというと、高遠先生はネットの仲間と一緒に攻撃的になってる時は「抗議(もしくは出版社の忖度)によって特定作家を排除する」という前例を作らんという軽くはない働きかけをしてたくせに、その重みを問われた時に受け止める覚悟はゼロだったということだ。
「問題ある漫画家だ、排除しろ」→→→「ひょ、表現規制の話なんかしてない!」
これで緒方にどうこう言えんの?
集英社への仁義としてもどうなのかと。表現規制を求めたんだから、それを貫くもんでしょう。集英社に難しい問題を突き付けるんだから、せめて規制側として全面支持して一蓮托生するぐらいの気概は見せるもんでしょう。
それをちょっと反響が大きかったからってもうビビッて、「いや、ぼくは規制の話はしてないですよ?」「集英社が考えるんです」なんて逃げていく。そんな奴の話を集英社だってよう聞かんでしょう。困難になった途端ビビッて裏切って1人で逃げだすような奴真面目に取り合わん。「集英社も勉強になっただろう」みたいにしめてるけど、あんた既に集英社が呆れて見下す位置だよ。
一時が万事ってこともないかもしれませんが、印象に残るこの騒動を見る限り、高遠先生は政治的発言については激しさの割りにあんまり覚悟も根性も無いし、なんか当人は精一杯かっこつけながらも吐いた唾を床からベロンベロン舐め取ってるのが超かっこ悪かったですよ。
しかも威勢が良かった時に
念のためですが、この手の話題で俺が何か言った時に付き物の「また余計な話題に口挟んで」「漫画だけ描いてりゃいいのに」みたいな「口は災いの元」タイプのお節介に対してあらかじめ言っておく。
うるせえ。平気だよこんくらい。
こんな啖呵まで切ってて、結局全然平気じゃない。
お節介なファンも言わんこっちゃねえと呆れてるよ。
5.高遠先生のブーメラン乱舞
さあ最後に高遠先生の緒方恵美へのお言葉を見て行きましょう。
全くあんたにそれが言いたい。
表現者だからって表現規制に賛成しちゃいけないってことは別にない。
自分の信念と基準を示して覚悟を持って規制の話を進めるんなら1ミリも軽蔑なんかしなかったよ。でもあんたは覚悟ゼロで、ポルナレフの真似までしながら「ぼ、ぼくはそんな話していない」と逃げた。
ほんとそれな!
ものすごいふわふわ逃げ腰を見せながら「少しは世のためになったかもって事で、十分です。」などとまるで世間を善導したんだみたいな虚勢を張る奴に聞かせたい。
あとまた「カラミ」って言ってる。相当この言葉が好きなのね。
「俺は真剣に全力で言ってるんだ!」と言えず、すぐ「カラミ」とか言って逃げ道確保したがるの、かなりクソな仕草だと思うんだけど。俺が相手ならむかつく。
逃げないで欲しかったってあんたが言うか。
「モリカケいい加減にして」→「政治的発言では有りません」
「ネトウヨ漫画家を排除しろ」→「表現規制発言ではありません」
少なくとも前者が後者より無理があるってことはないと思うが。
大幅に譲ってもお揃い程度だろう。
6.高遠先生ってさあ
ネットや漫画の中でたまにすごい攻撃性を出すけど、あれってネット中毒じゃない?
昔から残酷描写はあったし生きてくことや世界への懐疑みたいなテーマはあったけど、自分自身で懊悩して描いてる感じはあった。
ある時期から年々そういう感じが減って雑になってきた。
いま作中で米軍司令官がグロ惨殺されたりしてるけど読んでて何も感じない。
今の高遠先生から出る攻撃性ってtwitterのタイムラインのコピペじゃね?
上で論ったかつての唾の飲み方、異様に激しくガーンといったあとに分別が出てきてモゴモゴ言うの、ジキルとハイドみたいな感じがある。
外付けの攻撃性が自分の覚悟を超えて出るからシラフになっても責任が取れない。
それはもう現代病かもしれんし、
そういう意味で緒方恵美も罹患しかけてるのかもしれないが、
どう見ても高遠先生は同病のより進行した患者なんだが。
肺病人が風邪っぴきに養生の説教してるみたいな観がある。
追記
いただいたブコメについて
飛躍と言ってないことを言ったかのような操作が連発された文章。私怨?ヘイト前科持ちが留保なしにメジャー紙に載るのを批判するのは健全でしょ。 - murasakizaruのコメント / はてなブックマーク
「排除せよと言ったこと」を非難などしてないんだが本当にちゃんと読んでくれてるのだろうか。
そして「飛躍があるのであれば具体的に箇所を指摘してほしい」
と送ったがid:murasakizaru2日経ってご返答いただけていない。
「言ってないことを言ったかのように」についても
表現の自由は無敵じゃない。他者の人権を侵害するヘイトスピーチであれば制限されて当然だし表現の場から排除されるのも当然。このツイートの後に法規制もできたしその他の表現の自由を侵害するものではない - rocoroco3310のコメント / はてなブックマーク
同上。
「排除されるのは当然」、結構。
責任もってその論陣を張り続けてくれと言ってるだけ。*1
反響にビビってポルナレフの真似などと寒いことしながら「そんなこと言ってない」と逃げるのではなくな。
その逃げは高遠が今回緒方がしでかしたとして責めてる進退とどう違うの?とも。
「誰が表現の自由は無敵であり規制は許されない」なんて言ってんだ。
馬鹿でも誤読しないように「その主張はあり」ってくどくど断ったじゃん。
ていうか俺の文が長くて読みにくいのだとしても
タイトルから趣旨が書いてあるのにこういう読解で返してくる人にどうすればいいのか。
id:rocoroco3310さんに再反論があればうかがう。
先生っていう必要ない気がする(´・_・`)高遠るい呼び捨てでいい。むしろ片方呼び捨てなのに片方に先生ってつける意味わからない - mutinomutiのコメント / はてなブックマーク
有名人について書くときは呼び捨てでOK。
たとえば芸能人について評論するときに「松本人志さんは」と書く必要は本来ない。たとえ松本と面識があっても。
一方でこの文は特定有名人宛てに書いてるので「高遠るい先生」。
別に緒方恵美にぞんざいにしたいわけではないです。
オチ
もう一日、考えた。これからする連ツイは性質上、常体・敬体いずれの文体で書くべきか迷ったが、より簡潔かつ正確な記述のため、対象を定めたメッセージ部分以外は、あえて常体を採る。
— r_tkt (@r_tkt) 2018年5月6日
次の日にはこうなってた模様。
言わんこっちゃない。
これやっぱり病気でしょ。
この漫画とラノベはよかった。
新装版は嫌な表紙になってて貼りたくない
*1:もちろん気が変って撤回したくなったなら「言い過ぎました、撤回します」はOK。