ここはお前の日記帳

主にはてなブログやはてなブックマークから気になったことを

Hagexさんは感情が豊かすぎたと思う

痛ましい事件が起きた。
ちゃんとした追悼はちゃんとした人達がやるので
前からちょっと気になっていたことを書きたい。
最後になるだろうし。


1

hagexさんはあれだけのネットウォッチャーにしては感情がありすぎたように思う。
ウォッチングやまとめ行為の一つ一つに心を動かしてるというか。



結構前だがこんなエントリがあった。
冗談めかしているが、「つまらない」と言われたことに結構心を動かしている。
おや、と思った。


普通あれぐらい長年&大ボリュームでウォッチャーしてる人は1案件1案件に心を動かさない。荒らしもウォッチャーも同じで、高段者は一個一個に怒ったり笑ったりしない。
ただ見た瞬間調理方法がわかって、その筋道のままにかなり自動的な感覚で案件を片づけていく。その中で今日はスムーズな流れがあるとか、良い集中があるとか、ちょっとガタガタしているとか、全体のフローで見ていく。


なのにhagexさんはどうも、結構一つ一つ怒ったり笑ったりしながらやっていた。
それはウォッチャーとしてはよくないことだ。対象を憎んだり愛したりするのはウォッチャーではないから。


そんな感情豊かな部分が記事の魅力になって多くのファンを獲得したのだろうけど、「この人は根っこの部分ではこういうの向いてないんじゃないか」とちょっと思った。


この人がレスポンスに対してわりと繊細な感じなのは意外だ。揉め事やら炎上やらをこつこつまとめる作業って無我の感じでやってるもんだと思ってたが結構表現としてやってるのね。 - ketudanのコメント / はてなブックマーク
当時こんなブコメも書いた。
ほんとはもうちょっと「よくないのでは?」ぐらい言いたかったんだけど、つい遠まわしなブコメになった。


2

他に覚えてるところで、hagexさんは「荒らしへの対処法」みたいなエントリを書いてたことがあった。ブコメしなかったので今すぐ読み返せないが、その内容は荒らし対処法としてあまり良くなかった。精神的に勝利して荒らしを見下してやろうぜみたいな感じの内容。


ネット荒らしの視点で言えば逆に、「あ、この人気にしいだな」「怒らせることが出来るタイプだな」とわかってしまう感じだった。精神的なところを大事にするということは荒らしに脆弱ということだから。


昔のネットのテイストレスで腕のいい荒らしが来たら、きっちり怒らせて結構引きずりまわすことができるだろうなという印象を持った。


3

「そういう道」に身を浸すにはhagexさんはちょっとバランスが悪かったように思う。人間的な感情を持ちすぎていた。それは防御が弱くなるということだから。


昔hagexさんとtopisyuさんが絡んでることがあったが、「そういう道」においてはtopisyuさんの方が2枚ぐらい格上なんじゃないか、釣り合ってないんじゃないかと感じた。


PVとか影響力とか活動性という意味ではhagexさんが上なのかもだけど、「そういう道」の格というのは何よりまず防御がちゃんと出来ているかどうかだから。
topisyuさんに絡んで怒らせたり動揺させたりするのは相当難しく見えたけど、hagexさんはそうでもなく見えてた。


4.

もしかするとhagexさんは純粋な観測者出身で、自分でどこかを荒らしたりだとか、大勢を釣ったりだとか、延々取っ組みあったりだとか、一人二役で喧嘩したりとか、そういうネットの泥遊びをプレイヤーとしてはあまり経験してなかったんじゃないだろうか。


topisyuさんや、同じくhagexさんと親交があったという山本一郎さんは、間違いなくそういう経験を5年や10年のスパンでやって、力の流れの仕組みを理解して、防御が身についている人だ。


あのあたりの人達がもう少しその辺の助言をしてあげていたら何かが違っていたかも、というのは無責任で不確かで他力本願な未練だけれども。助言するのってとても難しいし、たぶん助言であまり伝わることでもないし、駆け出しとかではないhagexさんには余計なお世話だろうし。


5

まとめ人としての速度や技術と、ウォッチャーとしての精度や安定性と、自ら煽ったりいっちょ噛みしたりしていく戦士の運動神経とは、全て資質が異なる。


hagexさんに資質とスキルがあったのは1つ目のジャンルで、そこからずるずるっと2つ目や3つ目に足場が広がっていた気がする。けどそちらの道には別の資質と身の振りがあって。


昔読んだ漫画に「呪術師はみんな自分なりの呪詛返し処理法を持っている、持ってない呪術師は…」なんて話が出てきたが、hagexさんはそこの意識がやや薄く見えた。


ソフトで人間的な感じを残し過ぎてる心が、志向する活動とはマッチしてないというか、何かしら弱点になったり変なものを呼び寄せたりする切っ掛けになりそうだと思っていた。


どこかで足場が細くなってトラブルになりバックラッシュ大炎上して姿を消すようなことがあり得るなと思っていたのであって、まさか凶刃に倒れるなんて予想してなかったけど。


6

hagexさんは腰が低く柔和でよく相手を笑わせようとする人だったらしく、全くブログやブコメから受けたイメージの通りだ。


後出し後知恵でほんとに見苦しいんだけれども、ちょっとだけ踏み出す道や選ぶ芸風が当人の資質からずれてたように思えて残念だ。


もちろんあの事件自体は悪い巡り合わせが重なった不運の為のものなんだけれども。